1.22.2013

KUKA LOHDUTTAISI NYYTIÄ?

絵本が結構好きです。
書店や古書のお店で、じっくりと絵本を選んでいる時があります。
たくさんは持っていないのですが、以前ご紹介したブライアン・ワイルドスミスさんの絵本(特に動物モノ)は、色彩が美しくとてもお気に入りです。
他にも梨木香歩さんが好きなことがご縁となった「ペンキや」は、出久根育さんの微妙な色の持つ不思議な感覚を味わえたり、「ワニ-ジャングルの憂鬱 草原の無関心」は、色彩の鮮やかさが大変素晴らしかったりと、梨木香歩さんの哲学的な言葉と重なって、いろんな事を想像しながら、絵本タイムを過ごすことが出来ます。

所有している絵本の中から、大好きなトーベ・ヤンソンさんの絵本もひとつ紹介します。
タイトルは、「KUKA LOHDUTTAISI NYYTIÄ?」(フィンランド語の絵本です。)
日本語版では「さびしがりやのクニット」、英語版では「Who Will Comfort Toffle?」というタイトルで出版されています。


4〜5年ほど前にネットで探して購入したものです。
ヤンソンさんの絵本は他にもたくさん出版されているのですが、この本は色彩がとても鮮やかだという評判だったので、どうしても手元に置いて見てみたくなり、更に調べたところ、いろいろな言語で出版されていて、それぞれの紙質が微妙に違うらしいということを知りました。
それならば、フィンランド語の勉強にもなるしと、フィンランド語版を選びました。
30ページほどしかない絵本ですが、どのページも美しく、カラーのページは大胆なタッチ、モノクロのページは線画も有り、しかもテキストも筆記体?・・かな?美しい書体になっていて、何度見ても飽きない絵本です。
そしてこのページですが・・・・・。
この絵本を久しぶりに眺めていて、あらっ?と気づいたことがあります。
この上のページのイラスト!そういえば、昨年末に購入したmable SUDとコラボの「Moominステーショナリーセットブック」に入っていた、ペンケースの森のイラストと似ています。右がそのペンケースです。(登場人物は違いますが(笑))
ペンケースでは樹木の葉の部分の線が縮小されているためか、所々潰れてベタっぽくなってしまっていて、ちょっと残念なのですが、絵本のほうは原画により忠実に印刷されていて、一本一本の筆跡がはっきりと判ります。(ステーショナリーセットは、最初イエローバージョンも出てたから、原画に忠実ではないのは、「このセットにしかない配色」をうたっているのを知って購入したので、それは最初から文句はいえないんですよね(汗)・・・でも、ピンクバージョンのほうが、絵本により近い配色になっていたおかげで、この絵本のページのイラストが使われていたんだなぁ・・って、今頃ですが気づけました。)
持っているムーミングッズを見て、どの小説や絵本、コミックなどの、どこのページから取り上げられたものなのかと、再度読み返してみるのも結構楽しかったりして。

フィンランド語に関しては、まだまだスイスイ読めるレベルではない為、辞書を引き引き、少しずつ読みすすめています。

原画といえば、2009年にトーベ・ヤンソンさんの原画展が日本で開催された時、どうしても原画をこの目で見たくて、愛知県「おかざき世界子ども美術博物館」へ、静岡に居る次男と合流して、行ったことがありました。
実物のヤンソンさんの原画は、線の繊細さと、色の鮮やかさの中にどことなく「さみしさ」みたいなものを感じたり。。。。時代的な背景や彼女自身の環境がこういった色や線を産むんだろうなぁと、ただただ感動しながら食い入るように見つめてきました。
ムーミンシリーズ」を読んで、更に「トーベ・ヤンソンコレクション」の小説の持つ雰囲気からファンになったトーベ・ヤンソンさんでしたが、元々が画家さんであり、原画を見る機会を日本で持つことができて、とても良い思い出となりました。次男もなにか思うものがあったようです。あの後フィンランドにも行ってみたいと言うようになりました。

1.08.2013

英文法の本

先月から英文法の学習をスタートさせて数冊の文法書を読み終えました。
その中に、私にとってはすごく大切な英文法の本が有ります。
もう何十年も前の、とてもとても、とーっても古い中学生用の参考書です。

解明事典「英語」
監修:黒田巍
(東京教育大学名誉教授)
発行:暁教育図書
どのくらい前から持っていたのかは分かりません。ISBNも発行年月も記されていないのです。
どうやらこの解明事典はシリーズになっているようで、背表紙にはシリーズらしい「6」という数字があります。英語以外にも国語とか数学とかがあったのかもしれません。

監修者の黒田巍先生が「東京教育大学名誉教授」となっています。(※東京教育大学は1978年に閉学されていて、現在の筑波大学の母体とされているそうです。)
なので、それ以前の本ということになります。
中を見ると、最初数ページがカラーになっていて、当時のアメリカ人の家庭や学校での暮らし、イギリス(ロンドン)の風景などが紹介されていますが、この写真を見るだけでも年代を感じることが出来ます。
アルファベットの説明のページ。
当時はブロック体と筆記体の両方を習いました。最初はブロック体を、数箇月してアルファベットに慣れてから筆記体を習った記憶があります。
このページのアルファベットが出来たいきさつなどの記述も興味深いです。

この本が何故何十年もの間、私にとってとても大切な本であったのか。。。
当時、英語は得意でした。が、2年、3年と進むにつれてだんだん難しくなって、少しモヤモヤしてきた時、この本を読んでみたところ、すごく理解出来たのです。
それはこの本の解説がとても解りやすく、しかも本の構成が読みやすく、すっと頭に入っていったことが一番の理由でした。難しく思える事がきちんと整理されて、理解しやすいというのは、読者にとってとても大切なことではないかと思います。
そしてこの本は、中学英語といえどもかなり深くて、この本一冊分の英文法知識がしっかり身に付けば、文法に自信が持てるのではないかと思えるほど素晴らしい本なのです。
「文型」「品詞」「各単語の持つ働き」など、英語を読む為、書く為の「英語のしくみ」が丁寧に、且つ解りやすく書かれています。まず例文が有り、文法の説明とポイント、そして問題と解答・・と英語を楽しく解釈出来るように工夫されています。
中学生の英文法といっても、最後のほうのページは「関係副詞(関係代名詞と関係副詞の違いなど)」「過去完了(過去完了進行形や仮定法過去完了など)」「従属接続詞」など、中学3年間でこんなことまで習っていたっけ?と思えるほど。当時は「ゆとり教育」という発想など無い時代でした。

この本の英文法の説明に、どれだけ助けられたことか。。。
子供が生まれ、もし子供達が学校で英文法が解らなくなったら、この本を渡そうと思っていたのですが・・・有難い事に子供は私よりも英語を使いこなし、今では世界中の友人達とのコミュニケーションツールとして英語には全く不自由が無い様子。。なので、この本は現在までずっと私のところに置いておくことになったのでした。

私も普段の日常会話では、文法を意識して話すことはないのですが、洋書などの長文を読む時になると、英語が母国語では無い私にとって英文法の知識は、とても役に立っているということに気がつきます。

だけど・・・それでも・・・最近???となる時があるのです。
文章を読んでいて一度で理解できなくて、数回読み直す事があるようになりました。
(実はこの状態は英語だけじゃなくて、日本語の小説でもあるのですけれど・・・)
このまま理解しづらくなっていくのは嫌だなぁ・・・そう思って、最近読み出したところ、やっぱりすごく解りやすいんです!
確かに取り扱っている文章は古さを感じますが、時代が変わって使う言葉が変わっていっても、一定の規則に則って言葉を使っているから、他人と他人がコミュニケーションを取れるのだと思います。

黒田巍先生のこの「解明事典」と、もうひとつ、以前駿台予備校の伊藤和夫先生の著書「英文解釈教室」という本を読むと、英語の「しくみ」が見えて面白かったのを覚えています。
「英文解釈教室」のほうは、文の中に更に文が入り組んで複雑になっている文章をどのように読んでいくのか・・・まるでパズルを解くような説明でした。ちょっと手ごわい本ですが、じっくり取り組んだ後に洋書などを読むと、文章が楽に読めるようになった記憶があります。
もう何十年も前の頃の話ですが。。。。。また最近この「英文解釈教室」も読み返しています。

最近、英語の参考書を読むのが楽しくなっています。
大学入試用の参考書なんて、この歳になってまた読むようになるとは思わなかったのですが、すごく面白いのです。
多分今だから、じっくり取り組める時間的ゆとりが出てきたからだろうと思います。